ファー・モア・ザン・ノー・ヒット――2ヒットならどうだ2 スコット・マケンジー、R・B・グリーヴス
 
昨日、前回の記事をアップしながら、ワン・ヒット・ワンダーがあるなら、「ノー・ヒット・ワンダー」もあるのではないか、なんてことを考えました。

つまり、だれでも知っているほど有名なのに、シングル・ヒットがない、というアーティストです。アルバムは売れるのに、シングルはまるでダメ、ということはあるのではないでしょうか。

いま、二例だけ思い浮かんだのですが、わたしがチャート・データをもっていない時期にヒットが出た可能性もあるので、その点を確認してから、可能ならつぎの機会に取り上げることにします。

さて、今日は前回のつづきで、あと一本出れば猛打賞だったのに、という2ヒッターです。

前回、2ヒッターというのは、最初の大ヒットが強すぎて、セカンド・ヒットがショボく感じられ、その結果、シーンから脱落してしまった、というパターンだろうという理屈をこねましたが、その仮定を地でいってしまった人を。

スコット・マケンジー、まずは最初の大ヒットから。ハル・ブレイン・オン・ドラムズ、ジョー・オズボーン・オン・ベース、ヒッピー・ベルを振ったのは、ハル・ブレインに拠れば、ママズ&ザ・パパズのミシェール・フィリップスだそうです。

Scott McKenzie - San Francisco (Be Sure to Wear Some Flowers in Your Hair)


クリップのタイトルは大間違いなので、正確なフル・タイトルを書いておきました。「サンフランシスコ(髪に花を挿すのを忘れないように)」です。長いタイトルなので、子どもたるもの、寿限無のように、正確に記憶しようと努力したものです。中学二年にもわかる程度の英語でしたし。

この曲については、とくになにかいうべきことはないようです。1967年夏、のちに「サマー・オヴ・ラヴ」と呼ばれることになる特別な夏に開かれた、モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティヴァルのテーマ・ソングというか、前景気をあおるコマーシャル・ソングとして、ママズ&ザ・パパズのジョン・フィリップスが書いた曲で、主催者の狙い通り、大ヒットになりました。

スコット・マケンジーは一躍スターになり、セカンド・シングルがリリースされたのですが、わたしはまったく記憶していませんでした。日本ではほとんどエア・プレイがなかったのではないでしょうか。

Scott McKenzie - Like an Old Time Movie


ジョン・フィリップスが本気だったら、もっといい曲をセカンド・シングルとして書いたのじゃないでしょうかねえ。シングル・カットしたこと自体がミスでしょう。典型的なB面曲にきこえます。

かくしてスコット・マケンジーは、それがどこであれ、もといた場所へと後退していったか、なにかに転身したか、そのへんは知りませんが、老兵は死なず、ただ消えゆくことすらもせず、歌いつづけているのかもしれません。

この人も最初は大ヒットでした。

R.B. Greaves -Take a Letter Maria


別れ話の手紙を秘書に向かって口述するという、ちょっと変わった設定の歌詞も、この曲のヒットにおおいに貢献したのでしょう。時代の変化をあらわす歌詞です。

なかなかけっこうなベースですが、だれのプレイか知りません。オムニバス盤にはしばしば収録されるので、LPでもCDでももっていましたが、単独の盤は買ったことがないので、そのへんのことは知りません。

サム・クックの甥、ロナルド・バートラム・アロイシャス・グリーヴス3世はガイアナで生まれ、アメリカとイギリスで育ち、シンガーとしてはイギリスでデビューしたとありますが、プロデューサーはアーメット・アーティガンだというので、録音はアメリカだった可能性もあります。

R・B・グリーヴスのもう一曲のビルボード・トップ40ヒットは、クリップがないので、サンプルをあげました。バート・バカラックとハル・デイヴィッドの作、サンディー・ショウのヒットのカヴァー。

R.B. Greaves "(There's) Always Something There to Remind Me"

オリジナルはルー・ジョンソンだそうですが、ふつう、この曲はサンディー・ショウのヒットとして知られています。サンディー・ショウもよく知っているのは2曲だけなので、2ヒッターかと思ってチャート・ブックを調べましたが、イギリスではヒットしたものの、どの曲もビルボード・トップ40に届かず、じつはノー・ヒット・ワンダーでした。

すでに時間切れ、もうひとり、という余裕はないので、サンディー・ショウのアメリカではトップ40に届かなかった曲を。

Sandie Shaw - Girl Don't Come


ケチケチせずに、もう一曲も。

Sandie Shaw - (There's) Always Something There to Remind Me


やはり、こちらのほうが高いヒット・ポテンシャルがあったと感じます。


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スコット・マケンジー
San Francisco
San Francisco


R・B・グリーヴス
R.B. Greaves
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サンディー・ショウ
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by songsf4s | 2012-01-05 23:42 | 60年代