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関連ありやなしや 夜霧のしのび逢い~霧のカレリア~ブーベの恋人
 
べつに特段の理由やきっかけがあったわけではなく、「そこにあった」から、(よりによって)クロード・チアリのベスト盤を聴いてみました。

そもそも、チアリのヒット曲を記憶しているような気がしただけで、タイトルやメロディーがすぐに思い浮かんだわけではありません。聴いているうちにわかるかもしれないし、思いださないかもしれない、と思い、手早く聴いていきました。ちゃんと思いだしました。

Claude Ciari - La Playa(夜霧のしのび逢い)


わたしと同年代以上の方なら、記憶していらっしゃるだろうと思います。大昔のヒット曲というのは、現代のように蛸壺化していないので、大ヒットすれば老若男女みな知っていました。こういうタイプは好まない小学生だったわたしも記憶していたのは、そういう時代のせいです。

ユーチューブの関連動画は、アーティストも楽曲もぜんぜんお呼びでないのがあがっているときがありますが、この曲の関連動画にこれがありました。

The Spotnicks - Karelia


人それぞれ受け取り方は異なるでしょうが、わたしは、これはかなりするどい「関連」だと笑いました。音楽スタイル、使用楽器、編成は異なるのに、小学生のわたしが苦手としたタイプのマイナー曲のなかでも、本質的なところで、強い近縁性のある曲のつながりだと思います。

あの時代をご記憶の音楽ファンには説明するまでもないことですが、FENはべつとして(わたしがこの局を中心に聴くようになったのは66年終わり)、日本のラジオ局でかかる「洋楽」(この言葉も大の苦手。イヤな時代のイヤな環境を思い起こさせる)というのは、とんでもない闇鍋で、なにが出てくるかわからない不気味なものでした。

まあ、後年、シルヴィー・ヴァルタンやフランス・ギャルやマリー・ラフォレやシェイラやマージョリー・ノエルなんてあたりは懐かしくなったのですが、大部分は、犯罪者が刑務所を懐かしがるような意味でしか懐かしくない音楽でした。なにしろ、「哀愁」が苦手なのだから、日本は逃げ場のない国だったのです。やがてFENしか聴かなくなるのですが、それまでは大変でしたぜ。

生乾きのかさぶたをはがすような気分で、さらに関連動画をたどります。

"Mercato Paesano" from "La Ragazza di Bube" (ブーベの恋人)


これもヒットしました。わが家のレコード・ラックにも45回転盤が収まっていました。わたしはこのタイプを忌避していたので、むろん、愚兄が買ってきたものです。

映画もヒットしたのではないでしょうか。イタリア映画不得手、恋愛映画無関心なので、この映画が公開されたころは、わたしは東宝か日活かアメリカ製アクション映画かフランス製フィルム・ノワールを見ていました。イタリア映画はマカロニ・ウェスタン全盛期になってやっと親しむことになります。

「ブーベの恋人」のメロディーが流れると、「おーんなのー、しあわせ」という日本語が頭のなかで再生されたので、ローカル・カヴァーを探してみました。

ザ・ピーナッツ - ブーベの恋人


だれのヴァージョンがヒットしたのか記憶がありませんが、ザ・ピーナッツないしは他のシンガーのヴァージョンがしばしば流れたのでしょう。いまだに「おーんなのー」が出て来ちゃうのだから、恐ろしいものです。

関連動画を見ていると、このたぐいのヨーロッパ映画哀愁のテーマ曲というのは、当時の一大勢力だったと認めざるをえなくなります。イヤだなあ、勘弁してよ、と思っていた小学生の脳髄にまで深く楔を打ち込んだのだから、すごいものです。

こういうのは、あの時代の特殊な音楽のように記憶しているのですが、じつにたくさんあることを改めて認識しました。日本とヨーロッパの哀愁世界連合のほうが、英米メイジャー・コード枢軸より、じつは優勢だったのではないでしょうか。

フランスはビートルズが失敗した唯一の国(64年はじめのツアーで、オランピア劇場に空席があった)といわれていましたが、この状況ではやむをえないか、と思います。圧倒的な哀愁勢力の存在を、遅ればせながら再認識しました。あれは極東の国の特殊な状況ではなかったようです。

いまになって、この種の音楽をどう思うか? 小学生のときほどの嫌悪感はありませんが、だからといって、こっちのほうが好きだ、とも感じません。まあ、年も年なので、なにごとにつけ、「でなければならない」という意識は薄れ、どちらかというと、ま、なんだっていいや、という気分なだけですが。

小学校のときにも好きだった哀愁はこの程度の湿度でした。

Marjorie Noel - Dans le meme wagon(そよ風に乗って)


ぜんぜん哀愁じゃないような気もしますが、このへんならフランスもオーケイだったのです。



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クロード・チアリ
プレミアム・ツイン・ベスト 夜霧のしのび逢い~クロード・チアリ・ベスト
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霧のカレリア
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ブーベの恋人 La Ragazza Di Bube (Bebo's Girl) [Import CD from Italy]
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ザ・ピーナッツ
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マージョリー・ノエル「そよ風に乗って」収録
ボン・ボン・フレンチ(2)
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by songsf4s | 2011-09-13 23:50 | 60年代