欧州ローカル線の旅 デイヴィッド・マクウィリアムズのThe Days of Pearly Spencer
 
昨日、60年代終わりの曲を聴いていて、そこから少しスライドし、デイヴィッド・マクウィリアムズのThe Days of Pearly Spencerのことを思い出しました。

あの時代にはよくわかっていませんでしたが、この曲はイギリスの、ないしはヨーロッパだけのローカル・ヒットで、アメリカでは影も形もありません。リリースしたのかもしれませんが、ビルボード・チャートにはかすっていないのです。

80年代に昔の盤を集めはじめたとき、思い出して、買おうとしたのですが、まったく見当たりませんでした。やはりビルボード・チャート圏外というのは、リイシューでは非常に弱いのです。

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しかし、そういう苦労というのはいつかは終わるもので、横浜のウリー・ブーリーという店で再会しました。あの店には長くつづいてほしいので、宣伝しちゃいますが、中区曙町になるのか、伊勢佐木町の裏手、中郵便局の斜向かいぐらいにあるバー&カフェです。店が開くのは日暮れごろですが、アルコール、ノンアルコールどちらもオーケイです。店内を飾るLPと45のスリーヴを見ているだけでも楽しくなること請け合いです。

ウリー・ブーリーで聴けたときは、やれやれ、やっと見つけたと思いましたが、その後、ユーチューブなんてものが生まれたし、CDリイシューもあったりで、昔の苦労いまいずこです。

デイヴィッド・マクウィリアムズ


大づかみに云って好きだったのは二点。ストリング・アレンジメント、メガフォンを通したような声で歌われるコーラス、このふたつです。弦は、オブリガートというより、メロディーといっていいほどで、ヴォーカルのラインよりよほどメロディックにつくってあります。

大人になって聴きなおしても、そのあたりは変わりませんが、プラス、ドラムとベースのアレンジ、プレイも魅力があると感じます。でも、あの変な時代にふさわしい変な弦で、この曲は勝負に勝ったのでしょう。

それにしても、この歌詞はなんなの、といまになって思います。当時は、The days of Pearly Spencer, the race is almost runしか聞こえていないので、中身なんか気にしていませんでしたけれどね。日本語のカヴァーもあるのですが、意味不明の歌詞はあっさりゴミ箱に叩き込み、凡庸愚劣なラヴ・ソングにして歌っています。

◆ カヴァー各種 ◆◆
80年代にまったく影も形もなくて苦労したことが記憶に焼きついているせいで、こんな曲はもうだれも覚えていないのだろうと思っていたら、あにはからんや、調べたらカヴァーが多いのに愕然としました。ほんとうは、この記事は、ヨーロッパのローカル・ヒットを三つばかり並べるはずだったのに、パーリー・スペンサーが多すぎるせいで、他の曲はオミットせざるをなくなったほどです。

もちろん、オリジナルの段階で門前払いしたアメリカのカヴァーは見当たらず、ヨーロッパと日本(とひょっとしたらラテン・アメリカも)のものです。オリジナル盤はイギリスのみならず、ヨーロッパの複数の国でヒットしたのだろうと想像します。

そのうちいくつかを。

レイモン・ルフェーヴル


ストリングスが印象的な曲ですから、オーケストラのカヴァーがあるのは当然すぎるほど当然です。

フランク・プールセル


ほかにカラヴェリ・ストリングスのものもありますが、わたしの好みにもっとも合うのはレイモン・ルフェーヴル盤です。ストリングスの音がエッジーなところが楽しめます。

それほどいいものがなくてちょっと迷いましたが、ドイツのオルガン・プレイヤー、フランツ・ランベルトのインストをサンプルにしました。いつも地味なのばかりで恐縮至極。

サンプル Franz Rambert "The Days of Pearly Spencer"

もうひとつ、90年代の録音をいってみます。

マーク・アーモンド


これはこれで悪くないような気がします。フランツ・ランベルトはコーダをつけていますが、マーク・アーモンド盤を参考にしたのかもしれません。

この曲がビルボードにチャート・インしなかったのは、なんとなくわかります。ストリングスの扱いがヨーロッパ的で、アメリカのリスナーのマジョリティーの好みには合わなかったのではないでしょうか。ちょっとパセティックで湿度やや高めなのも、非米的です。

しかし、そうはいっても、そうした欧州的臭みは、それほど強いわけではなく、すごく微妙なit's a thin line between love and hateだなあ、と思います。アラン・プライスがついにアメリカではヒットがなかったことに通底しているかもしれません。



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by songsf4s | 2011-02-12 23:49