ローラ・ニーロのR&Bカヴァーとオリジナル10 It's Gonna Take a Miracle
 
旧蝋からうだうだとやってきたローラ・ニーロのGonna Take a Miracle収録曲のオリジナル追求ですが、やっとタイトル・カットのIt's Gonna Take a Miracleにたどり着きました。

よって今日がこのシリーズの最終回、といえれば簡単ですが、最近の拡大版Gonna Take a Miracleには4曲のボーナスが収録されていて、このうち1曲だけは取り上げるつもりなので、まだコーダが残っています。

◆ ローラ・ニーロ絶唱 ◆◆
ではまず、ローラ・ニーロ歌うIt's Gonna Take a Miracleから。

ローラ・ニーロ It's Gonna Take a Miracle


いちおう歌詞をペーストしておきます。ある程度の重要性があると感じます。どこがどう重要なのかということについては後述します。

Loving you so
I was too blind to see you
letting me go
But now that you've set me free
It's gonna take a miracle
Yes, it's gonna take a miracle
To make me love someone new
Cause I'm crazy for you

Oh oh, didn't you know
It wouldn't be so easy
lettin' you go
I could have told you
that it's gonna take a miracle
oh-uh Yes, it's gonna take a miracle
To make me love someone new
Cause I'm crazy for you

Oh, tho' I know I can't get through to you
I promise I will show you how much
You're turning me around, destroying me
I'll never be the same anymore

You must realize
You took your love and left me
Quite by surprise
You can be sure that now it's gonna take a miracle
Yes, it's gonna take a miracle
To make me love someone new
Cause I'm crazy for you


◆ オリジナル ◆◆
オリジナルはガール・グループというにはちょっと重すぎ、やはり女性R&Bコーラス・グループなのだろう、というロイヤレッツの1965年の録音です。

ロイヤレッツ


このところ、しばしばオリジナル探しを記事にしていますが、狙ってオリジナルを手に入れたというのはあまりありません。たいていは、なにか買ってみたら、たまたまそこに好きな曲のオリジナルが入っていた、というケースです。でも、ロイヤレッツは、めずらしくも、It's Gonna Take a Miracleのオリジナルはこれらしい、と考えて買いました。

好きな曲のオリジナルにたどり着いたときというのはたいていそうですが、ロイヤレッツのIt's Gonna Take a Miracleも、最初はしっくりきませんでした。しかし、聴きなれてくると、オリジナルにもやはり大きな魅力を感じるようになりました。いきなり瑣末なところに落ち込んで恐縮ですが、アップライト・ベースにピアノを重ねたリックにおおいに惹かれます。

◆ ビルドゥング・ロマンス? ◆◆
ローラ・ニーロのアルバム、Gonna Take a Miracleを全体として眺めていて、ふと、ブライアン・ウィルソンのPet Soundsを思い出しました。まあ、妄想のようなものですが。

イノセントな(というか、ほとんどナイーヴな)愛を描くWouldn't It Be Nice→I Met Him on a SundayとThe Bellsのメドレー

愛の喪失を描くCaroline No→It's Gonna Take a Mircle

このオープナーとクローザーの組み合わせは、ブライアン・ウィルソンの場合も、ローラ・ニーロの場合も、無意識ではなく、意図したものだったのではないでしょうか。

I Met Him on a Sundayは、恋ともいえないような、いかにも子供っぽい愛、そこに接続されたThe Bellsは、若いときだけに可能な、他を省みない一途な愛の歌で、I Met Him on a Sundayのミドル・ティーンにふさわしい恋に対して、大人のとば口に立ったヤング・アダルトの愛です。

人はさまざまだからなんともいえないところですが、若き日の恋がそのまま実ってゴールインというのは、それほど多くないのではないでしょうか。そうした熱い愛が突然断ち切られる経験というのも、それなりの普遍性があるものでしょう。

アルバムの最後に、そのような、身を切られるほどつらい失恋の歌(「奇蹟でも起きないかぎり別の人を愛するなんてできるはずがない=It's gonna take a miracle to make me love someone new, cause I'm crazy for you」)を持ってきたのは、無意識などであるはずがなく、ここを目的地として、他の曲を選んだのではないかと思います。

イノセンスの終焉を描いたせつない、せつない歌として、わたしはブライアン・ウィルソンのCaroline Noと同じように、It's Gonna Take a Miracleが好きです。

◆ その他のヴァージョン ◆◆
結局、It's Gonna Take a Miracleという曲は、ロイヤレッツとローラ・ニーロの二種類に尽きるのですが、ほかにカヴァーがないわけではありません。いや、うんざりほどたくさんあります。でも、何れを見ても山家育ち、よくまあ、こんなドテカボチャばかりそろったものと、呆れるほどの愚作の目白押しです。

デニース・ウィリアムズ


デニース・ウィリアムズは非常に悪い印象しか残っていないのですが、これは思ったよりマシでした。もっと大馬鹿なアレンジだろうと想像していたのです。でも、驚いたことに、あとはもう一瀉千里、悪夢のゴミ・ヴァージョン地獄。そのなかで、我慢できるものを選びましたが、いやもう、反吐が出ました。

ハニー&ザ・ビーズ


シレルズ


ケン・ブーズ


このジャマイカ風というのがむやみにたくさんあって、ばっかじゃなかろか、と怒り狂いました。あっちのほうの暑いところでこの曲は有名なようです。奇蹟でも起きなければ別の人を愛するなんてできない、とかなんとかいって、翌日にはもう新しい相手とデイトしている、というムードのヴァージョンばかりでした。怒。いや、まあ、泣いても笑っているようにしか見えない顔というのもあるわけでして、南の国の人たちにはいくぶん同情しますが、でも、もっと暢気な歌をうたいなさいな>ジャメイカン。


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ローラ・ニーロ
Gonna Take a Miracle
Gonna Take a Miracle


ロイヤレッツ
It’s Gonna Take a Miracle
It’s Gonna Take a Miracle
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by songsf4s | 2011-02-04 23:56