ローラ・ニーロのR&Bカヴァーとオリジナル7 Jimmy Mack
 
もっともカヴァーの多いSpanish Harlemを切り抜けたので、あとは緩やかな下り坂をのんびり歩いていくようなものだから、ひと安心です。だれも強制しているわけではないのだから、Spanish Harlemのカヴァーだって、全部聴くことはないのだ、と思わなくもなかったのですが、いい加減でテキトーな人間のくせに、遊びとなると、まめで律儀になってしまう傾向があるようです。

さて、本日はトラック7、Jimmy Mackです。まずはローラ・ニーロのカヴァーのクリップから。

ローラ・ニーロ


多くの人がエンジェルズのあの曲を連想するのではないでしょうか。

エンジェルズ My Boyfriend's Back


My Boyfriend's Backでは、彼氏の留守に言い寄る男に向かって、He's kind of big and awful strongだから、better cut out on the doubleだとか、you gonna be sorry you were ever bornなどと(英語学習に非常に有益な数々のフレーズを)いって脅かします。

Jimmy Mackも「脅迫」の歌ですが、脅す相手は、彼氏の留守に言い寄る男ではなく、彼氏自身です。ヘイ、ジミー・マック、いったいいつになったら帰ってくるの、this boy keeps coming around, he's trying to wear my resistance downだとか、Now my heart's just listening to what he has to sayなどと(英語学習にとりわけ有益というわけでもない)数々のフレーズを繰り出して、どこかに行っているジミー・マックに、あたし、もうその気になりかけてるもんね、早く帰ってこないと知らないからね、と最後通牒をつきつけます。

ジミー・マックが今いる場所はヴェトナムだという解釈があるようです。そういう意図でローラ・ニーロがこの曲をカヴァーしたのかどうかはわかりません。わたしは、ちがうだろうと想像していますが、根拠があるわけではありません。

このアルバムでプレイしているフィリーのドラマーを散々こき下ろしましたが、Jimmy Mackは唯一、アップテンポでドラムを容認できる曲です。他のトラックのように、スネアがペタペタと鳥もちのような音を立てないだけで、おおいなる救いです。四分三連の使い方はやはりダサダサで辟易しますが。

◆ いかにもH=D=Hソング ◆◆
Jimmy Mackのオリジナルはすでに見たDancing in the Streetと同じく、マーサ&ザ・ヴァンデラーズです。

マーサ&ザ・ヴァンデラーズ Jimmy Mack(モノ)


モータウンのトラックというのは、よくアーティストがだれかわからないまま録音されたとキャロル・ケイさんにうかがいましたが、このJimmy Mackなんか典型といえます。このままダイアナ・ロスのヴォーカルを載せてもまったくOK。

じっさい、スプリームズ用の曲だったのではないでしょうか。作者は当時のスプリームズの曲を一手に引き受けていたホランド=ドジャー=ホランドです。それがマーサ&ザ・ヴァンデラーズにまわされてしまったのは、スプリームズはつねにチャート・トッパーを義務付けられていたけれど、この曲ではトップ10がギリギリ精いっぱい、なんていう判断では?

実情はよくわかりませんが、この曲の録音は1964年、スプリームズがスターになった年であり、そのときはお蔵入りし、二年後の1966年にリリースされることになったのだそうです。

今日はこれといって適当なものがないので、例によってマーサ&ザ・ヴァンデラーズ盤のトラック・オンリーをサンプルにします。これもやはりバックコーラス入りで、リード・ヴァーカルだけが抜いてあります。

Marth & the Vandellas "Jimmy Mack" (track only)

このトラック・オンリーを繰り返し聴いていて、なんだかギターのストロークはなじみがあるような気がしてきました。キャロル・ケイさんでは? 全体にハリウッド風の音作りであること、彼女は64年ごろからベースをプレイしはじめたということなので、Jimmy Mackのときはまだ端境期、じっさい、64年録音のメアリー・ウェルズのMy Guy(モータウン初のビルボード・チャート・トッパー)では彼女はギターをプレイした、といったささやかな、根拠ともいえないような根拠しかありませんが。

なお、たんなる偶然で、なにも意味はないだろうと思いますが、マーサ&ザ・ヴァンデラーズは、My Boyfriend's Backをカヴァーしています。

◆ 唯一のインスト ◆◆
この曲のもっとも好きなヴァージョンはまたしてもインストゥルメンタルです。ただし、プレイしているのは、あろうことか、ジェイムズ・ブラウン。

ジェイムズ・ブラウン Jimmy Mack


さすがは、というべきか、オルガンを弾いても、グッド・フィーリンがほとばしります。JBのバンドはつねにハイレベルでしたが、このときもベースのグルーヴなんかじつにけっこうで、ニコニコしてしまいます。

それにしても、たんなるマスタリングのちがいですが、うちのLPリップMP3より、このつべクリップのほうが、低音が太くて楽しめます。これが45の音だということかもしれないし、このお父さんが思い切り加工したのかもしれないし、なんとも判断しかねます。

◆ その他のJimmy Mack ◆◆
うちにあるJimmy Mackはすべて吐き出しましたが、ユーチューブにはまだいくつかJimmy Mackがありました。

カレン・カーペンター


うーん、わたしは問題外の不出来と感じます。

つづいてシーナ・イーストン。



こっちのほうがカレン・カーペンターよりはずっとマシだと思いますが、それは相対的な話にすぎず、シーナ・イーストン盤がすばらしいという意味でありません。べつに聴かなくても差し支えはない程度の出来です。


metalsideをフォローしましょう


ローラ・ニーロ
Gonna Take a Miracle
Gonna Take a Miracle


マーサ&ザ・ヴァンデラーズ
Gold
Gold


ジェイムズ・ブラウン
Singles 4: 1966-1967
Singles 4: 1966-1967
[PR]
by songsf4s | 2011-01-27 23:46