ローラ・ニーロのR&Bカヴァーとオリジナル6 Spanish Harlem その3
 
このところ、書物と映画に時間を割くようにしているため、ブログを書く時間はとれず、また、いったん腰を下ろすと、なかなか持ち上がらないもので、休み癖がついたこともあって、ローラ・ニーロのGonna Take a Miracleは足踏み状態です。

ツイッターには細かく書いていますが、今年はじめて最後まで読んだ本は、刊行は数年前なのに読みそこねていた矢作俊彦の旧作『ロング・グッドバイ The Wrong Goodbye』です。読みはじめてから、なんだ、あれか、と思いました。

f0147840_023066.jpg矢作俊彦は神奈川県警殺人課の二村永爾を主人公にした長篇を、あろうことか、二度にわたって連載中止しています。ひとつはのちに完成されたタイトルでいうと『真夜中へもう一歩』。まちがいなく彼の代表作です。作家はこういうものをいくつも書けないことになっています。

もうひとつは、彼の得意とする比喩がからまわりして、連載がはじまったときから先が危ぶまれた『横須賀調書』です。これが今世紀になってから『ロング・グッドバイ』として完成されました。

なんたって、いまこの部屋の窓を開ければすぐそこに見える場所を舞台にしていたりするので、ほかの街に住む読者とは読み方がまったくちがうはずです。『狂った果実』や『八月の濡れた砂』より、さらに徹底した「ロケ地」散歩がしたくなります。だれか、映画化してくれないでしょうかね。すばらしい舞台選択をしていて、おおいに楽しみました。

つづいて『定本久生十蘭全集第7巻』にとりかかったので、じつはブログなんか書いている場合ではないのです。ほかならぬ十蘭、それも戦後の充実した時期の作品を収録した巻ですからね。といいつつ、ツイッターにはあれこれ書きましたが。

ブログなんか書くより、音楽を聴いたり、本を読んだり、映画を見たり、ウォーキングをしたりするほうが、残りの人生の過ごし方として有意義のような気もするのですが、業というか性というか、入力をどこかで出力につなげずにはいられないようで、ただ入力だけをつづけていると、自家中毒を起こしてしまいます。

サッカーのゲームがある日に更新なんかしても意味がないのですが、わたし同様、そんなことにはまったく興味のない一握りのお客さんのために更新しようと気を取り直しました。

◆ サウンズ・インコーポレイティッド ◆◆
あと一時間しかないので、二種類ほどインストを駈け足で行きます。まず、イギリスのサウンズ・インコーポレイティッド。「わたしの時代」のグループですが、ライノのブリティッシュ・ビート・アンソロジーで聴くまでは、名前も知りませんでした。

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その程度のグループなので、ユーチューブ(と書くほうがシフトしなくていいので楽!)にはクリップはありませんでした。よって、サンプルにします。って、だれも聴かないでしょうけれど!

サンプル The Sounds Incorporated "Spanish Harlem"

アコースティック12弦が非常に魅力的な音で録れていて、それが最大の魅力、というか、はっきりいって、唯一の魅力です。バンドとしては二流。ドラムも嫌いです。

◆ ノリー・パラマーとクリフ・リチャード ◆◆
わたしが好むようなものは、ほかの人が好まないか知らないために、クリップがなくて困ります。やむをえず、もう一曲、サンプルにします。これまた、だれも聴かないでしょうけれど。

サンプル Norrie Paramor "Spanish Harlem"

ノリー・パラマーといってもご存知ない方が多いでしょうが、EMIでジョージ・マーティンとトップを争ったプロデューサーです。クリフ・リチャード、シャドウズの多くの盤をプロデュースしました。

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ブースのシャドウズとスタッフ 後列右からブルース・ウェルチ、ジョン・ロスティル、ハンク・マーヴィン、ブライアン・ベネット。左端に立っている人物は不明。あるいはアレンジャーのスティーヴ・グレイか。前列右はおそらくエンジニアのピーター・ヴィンス、左はプロデューサーのノリー・パラマー。

そういう人へのボーナスなのでしょう、ノリー・パラマーはオーケストラ・リーダーとして自己名義の盤をいくつかリリースしています。そのうちの一枚、クリフ・リチャードの曲をカヴァーしたLPに(ジョージ・マーティンもビートルズの曲をオーケストラでやった盤をリリースしているのはご存知のとおり)、このSpanish Harlemは収録されています。

Spanish Harlemはクリフ・リチャードの「持ち歌」というわけではないと思うのですが(イギリスではこの曲の代表的ヴァージョンとみなされているのか?)、まあ、とにかく、クリフのSpanish Harlemというのは存在します。



12弦のコードが耳を惹きますし、なるほど、ノリー・パラマーのオーケストレーションなのね、と思うほど、パラマーのヴァージョンに通底するものがあります。

かくして制限時間いっぱい、本日はここまで。Spanish Harlemは次回もまだインストということになるでしょう。


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THE WRONG GOODBYE―ロング・グッドバイ (角川文庫)
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定本久生十蘭全集第7巻
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Shadows in Latin/Plays theHits of Cliff Richard
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21 Today/32 Minutes And 17 Seconds With Cliff Richard
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by songsf4s | 2011-01-21 23:32