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カーティス・メイフィールド・ソングブック6 He Will Break Your Heart その3

He Will Break Your Heart/He Don't Love Youの残ったヴァージョンを駆け足で一覧します。まずはウォーカー・ブラザーズ。日本に来たころとはだいぶ様子が違います。

ウォーカー・ブラザーズ


とくに根拠はないのですが、なんとなく、まだイギリスに渡る以前の、LAのローカル・バンドだった時代のクリップではないかと感じます。

ウォーカーズ・ファンのなかには、スコットとジョンが、ラウターズのLet's Go (Pony)でプレイしたと思っている人がいるようですが、彼らはラウターズのツアー・メンバーだったことがあるだけで、録音はハリウッドのプロがしました。上記のクリップを見ても、スコットはデタラメに指を動かしているだけで、音にシンクさせていないのはおわかりでしょう。

ザ・ラウターズ Let's Go (Pony)


スタジオのラウターズのドラマーはハル・ブレインです。ハルがウォーカーズの二人とスタジオで一緒に仕事をした、なんていうのは話としては面白いのですが、そういうことは現実には起こりませんでした。ギターは二説あって、トミー・テデスコとルネ・ホールの名前があがっています。昔はすらすらとメンバーが出たのですが、もう忘れてしまいました。サックスはプラズ・ジョンソン? ちがっていたら、突っ込んでくださいよ。

カーティス・メイフィールド・ソングブック6 He Will Break Your Heart その3_f0147840_23581440.jpg話を戻します。ウォーカーズは後年、イギリスに渡ってから、He Will Break Your Heartを再録音しています。わたしは上記クリップに使われているヴァージョン(こちらはもっていない)のほうがいい出来だと思いますが、今日はほかに適当なものがないので、後年のリメイクをサンプルにします。

サンプル The Walker Brothers "He'll Break Your Heart"

イギリスのスカ・ブームの産物なのでしょうね。他のヴァージョンとは大きく異なっているのはけっこうですが、面白いかといわれると、さあてね、と言葉に詰まります。でも、こういうグルーヴがお好きな方も多いことでしょう。

◆ ケニー・ヴァンス&ザ・プラノトーンズ ◆◆
いよいよ落穂拾いのムードが濃厚になってきますが、つぎはケニー・ヴァンス、といってもご存知ないかもしれません。ジェイ&ディ・アメリカンズのメンバーだった人で、Lookin' for an Echoという、ドゥーワーップ小僧の青春を描いた佳曲のおかげで、わが国には一握りのファンがいるようです。

ケニー・ヴァンス


うーむ、ですな。ジョニ・ミッチェルやアン・マレイといったお婆さんたちの魔女声にも戦慄しますが、男だって声は衰えます。醜悪化の度合いが小さいだけです。ケニー・ヴァンスはLookin' for an Echoだけあればそれで十分。だいたい、あのアルバムだって、ほかの曲はどうでもいいものばかりだったのですから。

ケニー・ヴァンス Lookin' for an Echo


中学一年のわれわれはエコーをもとめて生徒寮の階段室を占領したものです。バンドをやった連中なら、この曲が描いている世界は自分の世界だと感じます。Now we've turned into oldies, but we were newies thenなのですよ。

これを聴いて、みんなどうしているかなあ、と思うと、ランディー・ニューマンのVine Streetが聞こえてきてしまいます。Vine Streetはニルソン盤がベストですが、YouTubeには不出来なヴァン=ダイク・パークス盤とランディー・ニューマンのデモしかないので、クリップは貼り付けません。

◆ ルルとジミー・グリフィン ◆◆
わき道に入らなければ、とうの昔に終わっているはずなので、以下、心を鬼して、二つのクリップを貼り付けるだけにしようと思います。まずルルのたぶん70年代の録音。もちろんジェンダーはひっくり返してあります。

ルル She Will Break Your Heart


悪くない出来だとは思いますが、こうして歌詞のジェンダーを交換してみると、この曲はやはり男が歌うように書かれていると感じます。

つづいて、まだブレッドがこの世に出現する以前の、若き日のジミー・グリフィンのヴァージョン。

ジミー・グリフィン


良くも悪くも60年代的というか、なんだか垢抜けないアレンジ、サウンドだし、ヴォーカル・レンディションもまだまだと感じます。ブレッド・ファンにはスーヴェニアとして面白いでしょうけれど。

さて、次回のお話。カーティス・メイフィールドの曲は、あと二種類予定していたのですが、まだHDDをきちんと読めないので、ファイルが取り出せない可能性があり、その場合はべつの企画に差し替えます。


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by songsf4s | 2010-12-11 22:32