- タイトル
- Blue Moon
- アーティスト
- The Marcels
- ライター
- Lorenz Hart, Richard Rodgers
- 収録アルバム
- The Best of the Marcels
- リリース年
- 1961年(org. in 1934)
- 他のヴァージョン
- Frank Sinatra, Elvis Presley, Bob Dylan, Julie London, the Ventures, Bruce Johnston, Cliff Richard, Ten Tuff Guitars, Percey Faith, Paul Weston, Jimmy McGriff, Jorgen Ingmann, Santo & Johnny, Leroy Holmes, Sy Zentner, Sam Cooke
たぶん、太陰暦には閏月がある(四年に一度、十三カ月の年がある)せいだと思うのですが、その年、中秋がどこに来るかはむずかしく、ときには十月だったりすることもあるので、暦を見ないとわかりません。
ことしは今月の二十二日だそうで、じゃあ、そろそろ月の歌をはじめようか、と思ったしだいです。といっても、いま、月の出はすごく遅くて、ぜんぜん見えないのですが(と書いたのは大間違いで、すごく遅いのを通り越して、すごく早くなってしまい、わたしが夕食後の散歩に出るころにはすでに沈んでしまっているだけだった)。
とくに深く考えたわけではないのですが、ヴァージョンがたくさんあるから早くはじめたほうがいいだろうと思い、最初はBlue Moonにしました。
たんに自分の好みがストレートに反映されたせいでしょうが、HDDを検索してみたところ、歌ものはそれほど多くなくて、インストがたくさんありました。しかも、インストはいいものが多く、聴くに耐えないようなものは、プレイではなく、マスタリングがひどくて我慢ならないサント&ジョニー盤のみです。
オリジナル記事は、2007年9月のハーヴェスト・ムーン特集の一編、Blue Moon by the Marcelsですので、歌詞などはそちらを参照なさってください。
じつは、べつのヴァージョンから入るつもりだったのですが、いまYouTubeを見たら、マーセルズの正しいヴァージョンがなかなか見つからず、後年の再録音ものや聴くに耐えないライヴ・ヴァージョンなどしか出てこなかったので、ほんものをお聴きいただきます。
サンプル The Marcels "Blue Moon"
いや、ドラムも突っ込んでいるし、歌は下手だし、正式ヴァージョンも、考えようによっては「ひどい」出来ですが、端正ではなく、ラフ・エッジだらけの雑な仕上がりが、ヒットの助けになったにちがいありません。
子どものころ、FENではじめてこの曲を聴いたときは、じつにハード・ドライヴィングなサウンドに感じられたもので、きれいに仕上げていたら、そういう印象にはならなかったでしょう。そもそも、この曲をアップテンポのドゥーワップにアレンジすること自体、外道な発想で、行儀のいい人間には思いもよらないことなのですが!
オリジナル記事に書いたとおり、当時としては「ショッキングな」このヴァージョンがなければ、Blue Moonはおそろしく古めかしい歌として、年寄りがロッキング・チェアで聴く名曲100選に収まって、その生涯を終えることになったにちがいありません。
◆ ジミー・マグリフの4ビート・オルガン・インスト・ヴァージョン ◆◆
なにかもう一種類、こんどはインストものを、と思ってプレイヤーを眺めると、好ましいヴァージョンが目白押しで、迷ってしまいましたが、看板に立てる予定の大物は省いて、やや地味なところからいってみます。
サンプル Jimmy McGriff "Blue Moon"
ジミー・マグリフは、70年代のどこかでファンクのほうに迷い込んでしまい、そのあたりはわたしには無縁なのですが、ジミー・スミスの強い影響下で、4ビートをやっていた時期のものは、ハードエッジのあるラウンジ・ミュージックとして楽しめます。
ジミー・マグリフのBlue Moonも、マーセルズのBlue Moon同様、この曲のオーソドキシーとはかけ離れたアップテンポの4ビートのアレンジで、なかなか好ましいサウンドです。
次回、映画の準備が整っていなければ、Blue Moonのべつのヴァージョンを聴くことにします。
The Best Of The Marcels