ギター・オン・ギター4 モビー・グレイプのRounder他
タイトル
Rounder
アーティスト
Moby Grape
ライター
Skip Spence
収録アルバム
Vintage: The Very Best of Moby Grape
リリース年
(録音)1967年
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ツイッターでわたしをフォローなさっている方は悩まされたかもしれませんが、今日、サンプルのホストにしているアカウントを見てまわり、どんな曲の人気が高いかなんてことを事細かにツイートしました。

それで首をかしげたのは、box.netに置いた曲のほうが、4sharedに置いた曲より、はるかによくアクセスされていることです。

4sharedはそんなに使いにくいのかと思って、自分で前回アップしたヴェンチャーズを聴いてみました。ハッキリ云えることは、box.netよりゴチャゴチャと画面がうるさい、したがってちょっと重い、ということです。box.netはあの調子だから、一目で操作方法がわかるのに、4sharedは慣れないとプレイするのも、それ以外のこと(と婉曲にいってみた)をするのも、一瞬、戸惑うかもしれません。

わたしとしても、できれば全部box.netに置きたいのですが、1アカウント1GBというきつい制限が邪魔なのです。1GBなんてあっという間に使いつぶしてしまいます。さりながら、お客さん方としては、box.netのすっきりしたユーザー・インターフェイスのほうがずっと使いやすいだろうと思います。

まあ、考えたところで意味はないので、やはりbox.net中心に戻そうと思います。ほとんどアクセスがないであろう地味なものは4sharedにもっていくことにします。

それで、二つあるbox.netのアカウントのうち、古いほうがちょっと危ないので、アクセスの少ないものからすこしずつ消していく予定です。落語のアクセスは少なめなので、まずそのへんから削除します。むやみにアクセスが多い人見明とスウィングボーイズは残しておきますが!

◆ 幻の納涼名人寄席 ◆◆
そういえば、正月以来の寄席を企画していると書きましたが、取りやめることにしました。ほとんどアクセスがないわりに、ファイルサイズが大きく、そのうえリスクがあるので、あまりやる意味がないと考えるに至りました。

いちおう、予定していたプログラムだけ以下にあげておきます。ファイル名の順なので、順番には意味がありません。

夏ドロ――三代目三遊亭金馬
須磨の浦風――四代目三遊亭圓馬
扇風機――春風亭柳昇
両国八景――八代目雷門助六
千両みかん――八代目林家正蔵
夏の風物詩――九代目鈴々舎馬風
あきれた紙芝居――あきれたボーイズ
船徳――八代目桂文楽
三味線ラ・クンパルシータ 三味線セントルイスブルース――三味線豊吉
声帯模写――古川ロッパ
夏の医者――桂枝雀
佃祭――五代目古今亭志ん生

「千両みかん」は十代目金原亭馬生のもののほうがいいかもしれません。落語にはじつにさまざまなサゲがありますが、「千両みかん」のサゲほどめまいをおこさせるものはほかにないでしょう。

一説によると「千両みかん」は、現在も創業の地・神田須田町で商売をつづけている、果物屋兼フルーツパーラー「万惣」のコマーシャルとしてつくられた噺だそうです。同じくコマーシャルとしてつくられた「王子の狐」よりよくできていると思います。

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まあ、CM落語では「百川」のトップは動かないでしょうが、肝心の料亭「百川」が店を閉じてしまったのが弱いと思います。「千両みかん」を聴けば、暑い日に万惣で冷たいものなんてけっこうだねえ、と思うし、「王子の狐」を聴けば、いちど扇屋の卵焼きというのを食してみよう、なんて思いますからね。おっと、いま調べたら、扇屋は料亭を閉じ、卵焼きの販売だけをつづけているそうです。年一回の「王子の狐を聴く会」もなくなってしまったのでしょうか。

◆ ロック・グループによるギター・アンサンブル ◆◆
弱いといえば、8ビート版「ギター・オン・ギター」は第2回目にして早くも、ちょっと弱いつなぎ目にさしかかります。微妙なギター・アンサンブルなのです。どう微妙かは、実例を聴いていただいたほうがわかりが早いと思います。以下のサンプルはバックトラックのみですが、ヴォーカルが載ったライヴ・ヴァージョン(歌入りスタジオ録音は存在しない)よりずっといい出来です。

サンプル Moby Grape "Rounder" (backtrack only)

こういうギター・リックは好みで、プレイ・アロングしたくなります(というのは口先だけ。引越以来、ギターに弦を張ってすらいない)。左右のギターが重なりそうになる一瞬はスリリングなのですがねえ。ギターを重ねたアンサンブルをやってみようという気はチラッとあるのです。でも、自覚が足りないせいで、ギターを重ねたサウンドというものを「追求」するにはいたっていません。可能性はあったのに、途中で流産してしまった、というあたり。

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エポニマス・タイトルのデビュー盤。全曲をシングルにするなどという大馬鹿なプロモーションをした。わたしが買ったのはリリースからだいぶたった70年代はじめのことで、「ポスター入ってるよ」というシールは貼ってあるけれど、そのポスターの現物は入っていないという情けないものだった。つまらないことを覚えているものだ。

Rounderは、当時は盤にならず、ベストCD「Vintage」ではじめて陽の目を見たのですが、ライヴではやっていたようです。歌入りライヴ・ヴァージョンはたいした出来ではないので、YouTubeのクリップでどうぞ。



イントロはややゆっくりめのテンポなのですが、ヴァースに入ったとたん、ギアが一段シフトしてしまうところが、60年代のバンドです。モビー・グレイプのドラマー、ドン・スティーヴンソンは走る人で、このRounderライヴ録音では、さらにもう一段加速する箇所があります! 最初と最後ではテンポがまったくちがっていて、あらあら、おやおや、です。

◆ はっぴいグレイプ ◆◆
サンフランシスコのバンドというのは、グレイトフル・デッドのフィル・レッシュ、ジェファーソン・エアプレインのジャック・キャサディーと、不思議にうまいベースが多いのですが、モビー・グレイプのボブ・モズリーもちょっとしたプレイヤーで、細野晴臣に強い影響を与えたことはご存知のとおり。Rounderのベース・ラインも、なんだかはっぴいえんどを思い起こさせます。

モビー・グレイプの曲のなかで、はっぴいえんどの音ともっとも近縁性があるのは、このトラックだろうと思います。

モビー・グレイプ He


こればかりでなく、鈴木茂は、何度かグレイプからトーンのヒントを得ていると思います。

モビー・グレイプ Can't Be So Bad


◆ アコースティック・ロック ◆◆
ギター・アンサンブルに話を戻します。モビー・グレイプには、まだ惜しいトラックがあります。

統計をとるには十分なサンプルとは云えないのですが、いくつか見たライヴ・クリップでは、主としてジェリー・ミラーがリードをとっているようですし、スキップ・スペンスがコード・ストローク以外のことをしているものはありませんでした。スタジオでも、リードをとったり、オブリガートを入れたりするのは、ミラーとルイスの役割だったのだろうと想像できます。

これなんかも、もっとギターどうしをよくからめるように考えたら、さらに面白くなっただろうにと思うのですが……。

モビー・グレイプ Someday


つぎはギター・アンサンブルの例というにはちょっときびしいのですが、ギターが気持のいい曲で、またしても、もうすこしきちんとギターを重ねることを考えてちょうだい、とお願いしたくなる曲です。これはYouTubeの音ではつまらないので、自前のサンプルにします。

サンプル Moby Grape "8:05"

最後に、だれか(スキップ・スペンス?)が抜けてすっきりした後期グレイプの、またまたフォークロック系バラッド。これも、ギターはもう半歩なのに、惜しい、というパターン。

モビー・グレイプ It's a Beautiful Day Today


◆ 脇道 ◆◆
関連動画にバッファロー・スプリングフィールドのモンタレーでのFor What It's Worthというのが引っかかって、つい見てしまいました。デイヴィッド・クロスビーがバーズと険悪になって、バッファローの連中と一緒にいたというのは、あちこちに書かれていますが、じっさいのクリップを見たら、クロスビーがいるだけでなく、ニール・ヤングがいないので、大笑いしました。はじめからずっとそういうバンドだったのねー、です。

バッファロー・スプリングフィールド For What It's Worth (Monterey Pop Festival)


考えてみると、バッファロー・スプリングフィールドも三人のギタリストがいて、そのうち二人はソロをとるのですが、ギター・アンサンブルがどうのという曲は思いつきません。二人とも好き勝手にやっているか、どちらかはスタジオに顔を出さないか、ま、そんなあたりでしょう。ジェイムズ・バートンがドブロを弾いたトラックもありました。


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モビー・グレイプ Vintage(ふつうはこの二枚組があれば十分)
Vintage: Best of
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Place & The Time
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モビー・グレイプ Moby Grape (1st.) with bonuses
Moby Grape
Moby Grape

グレイプ関係は火にくべたくなる愚作が豊富なのでご用心。モビー・グレイプ名義では20 Granite Creekが最悪、まったく聴きどころナシ。ソロではスキップ・スペンス、ボブ・モズリー、ともに純粋なゴミを生産した。こんなこと、知らないですめばよかったのにと思う、ほとんどすべての盤を聴いてしまった。オリジナル盤では、やはりデビュー盤Moby Grapeが頭抜けて出来がよく、あとはとくにいいものはない。


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by songsf4s | 2010-08-24 23:55 | Guitar Instro