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【ブリティッシュ・ビート根問い】サーチャーズ篇9 1963年の9
 
マーク・ルーイソンのThe Beatles Complete Recording Sessionsには、序文がわりにポール・マッカートニー・インタヴューが収録されている。

そのなかで、まだライヴ・バンドだったころ、将来をどう考えていたかという質問に、ポールは、レコーディング・アーティストになることが目標だったと答え、さらにこう云っている。

It was the currency of music: records. That's where we got our repertoire from, the B-sides, the 'Shot Of Rhythm And Blues', the lesser known stuff that we helped bring to the fore, the R&B stuff.

細かいことはどうでもよくて、「たとえばShot Of Rhythm And Bluesのように、われわれはB面からレパートリーを見つけた」と云っていることと、lesser known stuff、あまり知られていない曲、と云っていることが目を惹く。

なぜB面なのかということを、ポールは説明していないが、それは了解事項だからだろう。A面またはヒット曲をカヴァーするのは垢抜けないことだったからに決まっている。

わたしだって、中学の時ですら、B面やアルバム・トラックをやろうという意識はあったくらいで、すでにヒットした曲をカヴァーするのは野暮、というのは、バンドをやった人間の多くが思っていたことだ。

むろん、ヒットしたばかりの曲は、聴き手の誰にでもすぐ了解できるので、そういう曲もやるべきであり、レパートリーは単純な構成にはならないのだが、しかし、B面曲、アルバム・トラック、lesser known stuffはつねにヒット曲以上の価値があった。

サーチャーズも当然、ポール・マッカートニーと(そして、しいて云うなら、我々日本の子供とも)同じ感覚を共有していたに違いない。

プレイする人間というのは、多くの場合、ヴェテランのリスナー、根性の入ったリスナーである。ふつうの音楽ファンより深く音楽に入り込んだ結果として、自分でもやってみようと思い立つ。

だから、当然、ふつうのリスナーが知らないような曲をやるのは、プライドの問題として、きわめて大事なことだった。

◆ Hey Joe ◆◆
Hey Joeといったって、ジミ・ヘンドリクスが有名にした、ビリー・ロバーツの曲ではない。ケイデンス時代のエヴァリー・ブラザーズの「座付き作者」同然だったブードロー・ブライアント作で、オリジナルは1953年のカール・スミス盤らしい。

サーチャーズ盤のクリップはないので、サンプルにした。イントロがWhat'd I Sayそっくりだが、ちゃんとHey Joeになるので、ご心配なく!

サンプル The Searchers - Hey Joe

Carl Smith - Hey, Joe!


カール・スミス盤は大ヒットしたそうだが、どうもピンとこない曲で、じゃあ、歌詞かな、と思うのだが、これが面白いかなあ、昔は面白く感じたのか、という微妙な話だ。

ジョーという友だちに向かって、その娘はすごいな、どうだ、俺に譲らないか、とかなんとかいう品のない歌詞で、その品のなさがウケたのか、なんだったのか。

カール・スミス盤がアメリカでヒットしたのと同じ1953年に、イギリスではつぎのヴァージョンが大ヒットしたのだそうな。

Frankie Laine - Hey Joe


こちらのほうが、きちんとアレンジされていて(プロデューサーのミッチ・ミラーのアレンジか)、華やかな雰囲気があり、まだしも納得のいく「ヒット曲」である。ペダル・スティールの間奏も魅力的だし、バッキング・コーラスも、おお、いいな、と思う一瞬がある。

たんなる状況からの判断だが、サーチャーズは、オリジナルのカール・スミス盤ではなく、フランキー・レイン盤か、またはいまでは忘れられてしまったイギリスのローカル盤を元にしたのではないかと想像する。

◆ Always It's You ◆◆
もう一曲つづけて、ブードロー・ブライアントの曲で、こちらはHey Joeより新しく、オリジナルはエヴァリー・ブラザーズ。

サーチャーズ盤は、一応クリップはあるのだが、エンベッド不可なので、サンプルにした。

サンプル The Searchers - Always It's You

The Everly Brothers - Always It's You


この曲についてはややこしいことも、紆余曲折もなく、うちのHDDを検索しても、エヴァリーズ盤が数種類と、サーチャーズ盤しか出てこない。

エヴァリーズのオリジナルは、WB移籍後2枚目のアルバム、A Date with The Everly Brothersに収録されたもので、シングル・カットはされていない。WB移籍後にしては、作者もケイデンス時代と同じブライアント夫妻、サウンドもケイデンス時代のようにシンプルで、WBのアルバムのなかではちょっと据わりが悪い。アウトテイクを利用したのか?

◆ Hully Gully ◆◆
ほとんどがオブスキュアな曲で、タイトルを見ても、オリジナルがそらで出てきたりしないアルバムなので、昔からよく知っている曲が出てくると、ホッとする。

作者はフレッド・スミスとクリフ・ゴールドスミスで、オリンピックスを共同プロデュースしていたといった程度のことしか判明しなかった。後者はLAのワッツの生まれとあるから黒人だろう。のちにジョニー・テイラーをプロデュースしたこともあるとか。

オリジナルを歌ったのはスミス=ゴールドスミスのコンビがプロデュースしていたLAのオリンピックス。ヤング・ラスカルズのビルボード・チャート・トッパー、Good Lovin'のオリジナルを歌ったのも彼らだ。

The Searchers - Hully Gully (live)


The Olympics - Hully Gully


オリンピックスのオリジナルはたいしたヒットではなく、ホット100の下の方に潜り込んだ程度。それでもハリーガリーというダンスステップは流行し、多くのカヴァーが生まれた。

したがって、オリンピックスのHully GullyとサーチャーズのHully Gullyのあいだには多くのヴァージョンがあり、出自がはっきりしているわりには、考えどころには事欠かない。しかも、サーチャーズないしはイギリスのビート・グループが聴いていたであろうシンガーやグループが多い。

まずは前回も登場したこのスタジオ・グループ。

The Hollywood Argyles - Hully Gully


ハリウッド・アーガイルズと関係の深かったスキップ&フリップ(前者はのちにバーズでベースをプレイするスキップ・バッティン)のヴァージョンもあるが、クリップがないので飛ばし、つぎはトゥイストで売れに売れたこの人。

Chubby Checker - The Hully Gully


気になるのは、サーチャーズのライヴと同時期に、やはりハンブルクのスター・クラブで録音された、イギリスのグループ、クリフ・ベネット&ザ・レベル・ラウザーズのカヴァー。

Cliff Bennett & the Rebel Rousers


クリップは間違ってビートルズとクレジットしている。ビートルズのブートに収録されたかららしいが、これを聴いて、ビートルズじゃないとすぐにわからないのも、いわゆるひとつの才能かもしれない!

こういうライヴ向けの曲は、誰かが取り上げると、あっという間に他のバンドもレパートリーにしていくもので、イギリスのバンドでどこが最初にやったか、もはやなんとも言い難い。

イギリスで誰が最初にやったにせよ、まったくの山勘だが、ハリウッド・アーガイルズのヴァージョンが参照されたのではないか、と思う。

サーチャーズのこととは関係ないが、この曲がその後も聴かれたのは、つぎのカヴァーのおかげのような気がする。ボンゴはハル・ブレイン(ボンゴをやってもすごい!)、ベースはジョー・オズボーン。

The Beach Boys - Hully Gully


ドラムレスなのに、ざまざまなヴァージョンのなかでこれがもっともソリッドなビートで、なんだかなあ、と溜息が出る。

◆ What'd I Say ◆◆
なにも考えずにすむ曲は嬉しい。作者はレイ・チャールズ、オリジナルを歌ったのももちろん作者自身。わたしが子供のころは、しじゅうラジオから流れてきた。

サーチャーズのクリップは、63年のスター・クラブでのものはなかったので、別のもので代用した。

The Searchers - What'd I Say


Ray Charles - What'd I Say


山ほどカヴァーがあり、サーチャーズと同時代のブリティッシュ・ビート・グループに限っても、ビートルズ、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ、ビッグ・スリーのヴァージョンがある。

あれこれ聴きはじめると話は長々しくなるだけなので、ひょっとしたら、イギリスの子供たちはこのヴァージョンではじめてこの曲を聴いたのかもしれない、というものだけを。

Cliff Richard & the Shadows - What'd I Say


ハンク・マーヴィンのギターがなかなか魅力的で、案外いいじゃないか、である。

わたしはレイ・チャールズのEPを買うはるか以前にこの曲を知っていたが、日本では誰が歌っていたのか、いちおう考えてみたものの、まったく思いだせなかった。


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# by songsf4s | 2014-03-04 23:21 | ブリティシュ・インヴェイジョン
【ブリティッシュ・ビート根問い】サーチャーズ篇8 1963年の8
 
前回の補足。

サーチャーズのSick and Tiredを聴いて、ああ、サム&デイヴのあの曲からイントロをいただいたのね、と納得してから、それでは時間的順序が合わないことに思い至り、首をかしげた。

Sam & Dave - I Take What I Want


もう一度、サーチャーズのSick and Tiredを貼り付けておく。

The Searchers - Sick and Tired (live at The Star Club, Hamburg)


どう考えても同じリックなのだが、サーチャーズは63年、サム&デイヴは65年リリースの45である。

アイザック・ヘイズとデイヴ・ポーターがサーチャーズのライヴ盤を聴いた、という線はどうにも考えにくい。ひょっとしたら、両者が土台に利用したのが同じ曲で、いとこ同士の関係なのだろうか。とりあえず、疑問はまったく解消せず。

◆ Mashed Potatos ◆◆
マッシュ・ポテトというダンス・ステップが流行した関係で、60年代はじめには、タイトルにMashed Potatoと入った曲がむやみにある。いちばん有名なのは、ビルボード・チャート・トッパーになったディー・ディー・シャープのMashed Potato Timeで、わたしも、真っ先にこれを思いだす。

サーチャーズのマッシュ・ポテトはこれとは異なる曲で、たぶんジェイムズ・ブラウンがDessie Rozierの変名で書き、彼のバンドのドラマーであるナット・ケンドリックの名前で1969年にリリースした45回転盤をベースにしている。

The Searchers - Mashed Potatoes (Live)


Nat Kendrick and The Swans - (Do The) Mashed Potatoes


しかし、サーチャーズが参照したヴァージョンは、こちらの可能性もある。ジョーイ・ディー&ザ・スターライターズのヒット・アルバム、Doin' the Twist at the Peppermint Loungeより。

Joey Dee and the Starliters - Mashed Potatoes


しかし、以下の曲のように、基本的にはほとんど同じものがほかにもある、という込みいった事情もある。ドラムはハル・ブレイン。豪快なギターは、グレン・キャンベルかトミー・テデスコあたりだろう。

サンプル Bruce Johnston - Hot Pastrami, Mashed Potatoes, Come on to Rincon Yeah!!!

スターライターズのほうのソングライター・クレジットはRozier、すなわちジェイムズ・ブラウンになっているが、ブルース・ジョンストンのほうは、むろんタイトルが違うからでもあるが、ジョンストン自身の名前がクレジットされている。

もともと、曲と云うほどの特徴的なメロディーまたはリックがあるわけではなく、3コードと「Mashed potatoes!」という叫びを組み合わせただけのものなので、これを変形して自分の曲と云っても、原曲の作曲者だって、いや、それは俺の曲だとは云いにくかろう。

f0147840_20275090.jpg

どうであれ、こういう曲は、ライヴ用に、歌詞を覚える必要もなければ、コードを間違える怖れもない、楽な曲としてレパートリーに組み込まれていたのだろう。Hanky Pankyみたいなものだ。

さらに加えて、マッシュ・ポテトのブームはまだ続いていたはずで、こういう曲をやれば、ごくお手軽に客の共感を得られたにちがいない。そもそも、ジェイムズ・ブラウンは、ライヴの客がマッシュ・ポテトによく反応するので、この曲を録音したそうだし。

◆ I Sure Know a Lot About Love ◆◆
めずらしくも、アメリカの曲のカヴァーではない。イギリス人であるアラン・クラインが、映画化もされた芝居「What a Crazy World」(1963年)のために書いた曲のカヴァー。といっても、オリジナルはクリップがないし、わたしももっていないので、聴けなかった。

The Searchers - I Sure Know A Lot About Love (live)


結局、サーチャーズがめずらしくもイギリスの曲をカヴァーしたケースとして、スコアボードに「イギリス1点」と書き込んでおけばいいのかもしれない。

だが、疑問のトゲが残る。それは、この曲には以下のヴァージョンがあるからだ。

The Hollywood Argyles - Sho Know a Lot About Love (1960)


ハリウッド・アーガイルズというのは、キム・ファウリーとゲーリー・パクストンがでっちあげたスタジオ・グループ。Alley Oopという曲をリリースするためにつくったといっていいほどで、すぐに消滅した。

しかし、そのAlley Oopはビルボード・チャート・トッパーになってしまった。そして、その大ヒット・シングルのB面がほかならぬSho Know a Lot About Loveだったのだ。

ハリウッド・アーガイルズはタイトルをすこし変えているし、ソングライター・クレジットも、アラン・クラインではなく、パクストン=マイズとなっているが、これを別の曲と言い張るのは無理がある。事実上、同一の曲だ。

こうではないだろうか。サーチャーズは、Alley OopのB面として、ハリウッド・アーガイルズのヴァージョンを聴き、カヴァーしようと思った。しかし、著作権管理団体で調べると、この曲はイギリス人、アラン・クラインの作として登録されていた――。

それほどたいした曲ではないのだが、ポール・マッカートニーが何度か繰り返して云っている「馬鹿げたものへの情熱」ということと関係してくるようにも思う。サーチャーズのライヴを聴いていると、しきりにこのポール・マッカートニーの言葉が思いだされるので、いずれ、この点もまとめて検討しようと思う。

ハリウッド・アーガイルズ盤もひどいが(ひどいはずだよ、ドラマーはサンディー・ネルソン!)、さらに後年のこのカヴァーもひどさもひどし、ゲラゲラ笑ってしまった。

The Rainbows - I Sure Know a Lot About Love


レインボウズは、Balla Ballaのインターナショナル・ヒット(といっても欧州止まりで、アメリカではダメだったが)だけが有名で、あれはそれなりにやっているのだが、ライヴのクリップなど見ると、ドラムばかりでなく、リード・ギターもベースもタイムがめちゃくちゃで、なかなか楽しい。いや、馬鹿笑いしておしまいで、まじめに聴くほどのなにかがあるわけではないが!

◆ I Can't Go On (Rosalie) ◆◆
allmusicはいつものボケで、ソングライターをコール・ポーターとしていたため、あさはかなわたしは、「ええ? コール・ポーターがこういう曲を書くのかよ」なんて思ってしまい、ひとりで赤面した。

それは、Rosalieという同題異曲、戦前のミュージカルのテーマ曲であり、サーチャーズがやった曲とはまったく無関係。

いやはや、allmusicのチョンボは毎度面白くてけっこうだが、データベースとしては役立たずの域を超えて、これはもう有害というべきではないか。

サーチャーズがカヴァーしたRosalieは、ファッツ・ドミノと彼のプロデューサーであるデイヴ・バーソロミューの共作、歌ったのもむろんファッツ自身。

サーチャーズのライヴ・ヴァージョンはクリップがないので、かわりにデモを。

The Searchers - Rosalie (demo)


Fats Domino - I Can't Go On (Rosalie)


サーチャーズは歌詞もメロディーもずいぶんと変えている。基本的には泥臭いファッツのレンディションを、軽快なロックンロールに再構成しようと試みたのだと思う。いや、デモではなく、ライヴ・ヴァージョンについてだが。

以前にも書いたが、サーチャーズのドラマー、クリス・カーティスはファッツ・ドミノが大好きだったそうで、リード・ヴォーカルは当然カーティス、「俺が歌う」といってカヴァーしたのだろう。スタジオ盤では、べつにファッツ・ドミノ・ファンという印象は受けないのだが、このあたりがやはりライヴの面白いところだ。

なお、この曲にはほかにディオン&ザ・ベルモンツのカヴァーがある。おっと、そういうアレンジかよ、と戸惑わせるところが愉快なので、いちおう貼り付けておく。

Dion And The Belmonts - I Can't Go On (Rosalie)


ドゥーワップ・グループというのは、じつにいろいろなナンセンス・シラブルを思いつくものだ!

◆ Learning the Game ◆◆
なんだか今回は、あっちに傾き、こっちに揺れ、出自に疑問が生まれて、どうも落ち着かないのだが、最後はすっきりとバディー・ホリーの曲。

The Searchers - Learning The Game (live)


Buddy Holly - Learning The Game


コード進行はいかにもバディー・ホリーという感じで(ただし、チェンジのタイミングはいつもより早いが)、例によって非常にやりやすそうな曲で、サーチャーズもそのつもりでカヴァーしたのだろう。ライヴ向きである。

バディー・ホリー自身のものもいくつかのヴァージョンが出回っているが、カヴァーも面白いものが多い。もっともドラスティックに変化させたのは、つぎのアンドルー・ゴールドのヴァージョン。

Andrew Gold - Learning the Game


なんだかひどく懐かしい音だ。70年代はじめのシンガー・ソングライター時代の音に重めのバックビートをつけたという雰囲気。リリースは78年だったと思うが。これは2枚組ベストに入れるべきだっただろう。

ほかに、サー・ヘンリー&ヒズ・バトラーズも、いわゆる「バロック・ロック」風のバラッド・アレンジでなかなか面白いのだが、クリップがないので省略。ボビー・ヴィーのカヴァーも悪くないのだが、これまたクリップがない。

アンドルー・ゴールドやサー・ヘンリーとは逆方向の解釈をしたバンドもある。ストーンズだ。といっても、ミック・ジャガー抜きで、キース・リチャーズが歌っているのだが。

The Rolling Stones - Learning The Game - Live


キース・リチャーズのヴォーカルがこれでいいかどうかは、ストーンズは昔からこうだからとサラッと通り過ぎ(呵々)、アレンジの方向性はよくわかる。

バディー・ホリーの曲の特長は、このLearning the Gameのように、バラッドにしても面白いし、ストレート・ロッカーにしても面白い点にあることを、アンドルー・ゴールドとストーンズの両極端の解釈は教えてくれる。


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Nat Kendrick & The Swans
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Peppermint Twist
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Surfin' Around The World/Going Public
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# by songsf4s | 2014-03-01 22:23 | ブリティシュ・インヴェイジョン
【ブリティッシュ・ビート根問い】サーチャーズ篇7 1963年の7
 
先日は、次回からサード・アルバムへ、と書いたのだが、ハンブルクのスター・クラブでのライヴ盤も63年にドイツでリリースされたようなので、先にこちらを検討する。

それが終わったらサード・アルバムへと進むかというと、これがまた微妙で、ほかに同時期のBBCやスウェーデンのラジオ・ライヴも盤になっていて、収録曲を検討したうえで、そちらも取り上げるかどうか、後日決める。

スター・クラブのライヴ盤は、LPの時代とCDになってからでは、曲数が異なっているので、ここでは手元にあるCDヴァージョンの収録曲にしたがって見ていく。

いちおう、最初のLPヴァージョンの構成をDiscogsから以下に引き写した。

Sweets For My Sweet - The Searchers At The Star-Club Hamburg

Sweets For My Sweet
Ain't That Just Like Me?
Listen To Me
I Can Tell
Sick And Tired
Mashed Potatoes
I Sure Know A Lot About Love
Rosalie
Led In The Game
Hey, Joe
Always It's You
Hully Gully
What I'd Say

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今回検討するCDヴァージョンは以下のような構成。

Complete Live at The Star-Club Hamburg

Sweets For My Sweet
Ain't That Just Like Me
Listen To Me
I Can Tell
Sick And Tired
Mashed Potatoes
I Sure Know a Lot About Love
Rosalie
Led in the Game
Hey Joe
Always It's You
Hully Gully
What'd I Say (uncutted long version)
Beautiful Dreamer
Sweet Nothin's
Shakin' All Over
Sweet Little Sixteen
Don't You Know
Maybelline

オリジナルLPが13曲なのに対して、CDのコンプリート・ヴァージョン21曲構成になっている。しかし、ライヴだから、すでに検討したスタジオ盤と重なる曲もあり、そういうものは省略する。

なお、盤のライナーには録音日時が記載されていないのだが、こういうものはレーベルと正規の契約を結ぶ以前のものと決まっているので、62年または63年前半の録音だろう。

◆ I Can Tell ◆◆
最初の3曲、Sweets For My Sweet、Ain't That Just Like Me、Listen To Meはすでにこのシリーズで取り上げているので、4曲目のI Can Tellへ。

作者はイーラス・ベイツ、すなわちボー・ディドリーで、オリジナルを歌ったのもディドリー自身。

The Searchers - I Can Tell (live)


Bo Diddley - I Can Tell


ほとんど別人28号と化していて、好みからいえば、スピードアップしたサーチャーズ盤がいい。ディドリーのオリジナルはそこらによくあるブルース崩しにしか思えない。

とはいえ、それもまた考えようで、オリジナルに隙があるとカヴァーは多くなる傾向がある。ボー・ディドリーの曲はそのパターンが多い、という偏見を持っている。

サーチャーズ盤のリード・ヴォーカルは、いつもの二人の声とは違うので、クリス・カーティスなのだろう。メロディックなものはトニー・ジャクソンとマイク:ペンダーに任せ、自分はロック系、ブルーズ系と思っていたのだろうか。

イギリスでは、サーチャーズより早く、または同時期にこのグループもカヴァーしている。

Johnny Kidd & The Pirates - I Can Tell


サーチャーズのカヴァーは、ボー・ディドリーのオリジナルより、こちらのほうにずっと近いので、ディドリー盤直接ではなく、ジョニー・キッド経由でカヴァーした可能性もあると思う。

ほかにゼファーズ(サーチャーズと同時代のイギリスのマイナー・グループ)のものもある。ゼファーズはほとんど盤がないにもかかわらず、クリップが上がっていたので、これも貼り付けておく。

The Zephyrs - I Can Tell


惜しかったねえ、ささやかなヒットがあれば、アルバムを出すぐらいのところには行けたのに、という感じだが、それにはヴォーカルの魅力が不足していたかもしれない。

サー・ヘンリー&ヒズ・バトラーズという60年代のデンマークのグループのものもちょっと面白いのだが(ギターとドラムがいい)、クリップはないし、サンプルをアップするほどのものでもないので、割愛。

I Can Tellなどという変哲もないタイトルなので、HDDに検索をかけると、同題異曲がずいぶんヒットしてしまう。レスリー・ゴア、ハニーカムズ、レパラータ&ザ・デルロンズ、ベイカー・ナイトなどのものは別の曲である。

それで通り過ぎられれば問題なかったのだが、以下の曲は引っかかった。同じ曲ではないのだが、共通点があって、まったく無関係の曲とはにわかに断定できない。

サンプル The Youngbloods - I Can Tell

こちらの作者はボー・ディドリーではなく、チャック・ウィリスで、作者自身のヴァージョンはクリップがあった。

Chuck Willis & The Sandmen - I Can Tell


曲の構造はブルーズだが、スタイルは典型的なドゥーワップである。

結局、これも古い歌がベースになっているということではないか。それぞれに変形して歌っていて、アダプトした人間が作者としてクレジットされる、といういつものパターンで、同題にしてかつ共通点がありながら、作者名が異なるヴァリエーションが存在するのだろうと考える。

◆ Sick and Tired ◆◆
サーチャーズの曲はシンプルなものが多いが、ライヴになるといよいよ3コードばかりになっていく。つぎはアール・パーマーが単純きわまりないといったファッツ・ドミノの、じつに単純な曲。

The Searchers - Sick and Tired (live at The Star Club, Hamburg)


Fats Domino - Sick and Tired


やりやすそうだからか、オブスキュアな曲のわりにはカヴァーが多い。それぞれに味があって面白いのだが、たとえば、このヴァージョンはどうだろうか。

The Righteous Brothers - Sick and Tired


フィレーズ時代の録音だが、アルバム・トラックなので、スペクターは無関係、ビル・メドリーのプロデュースだろう。トラックはストレートでそれほど面白くないが、デュエットでやるのもまたいいな、と感じさせる。

つぎはファット・ドミノと同じニューオーリンズ録音。4つの4分音符のあつかいが平等ではない、うねるグルーヴがファッツのオリジナルと共通する。

Chris Kenner - Sick and Tired


テンポが違いすぎて比較しにくいかもしれないが、もう一度、ニューオーリンズとは異なるストレートなグルーヴのヴァージョンを。

Ronnie Hawkins - Sick and Tired


わたしはどうもホークス(ロニー・ホーキンズのバンド)が苦手なのだが、これはタイムが安定していて、危なっかしい感じがなく、もしもこれがホークスのプレイなら、「どうもお見それしました」である。

サム・ブテーラや、エディー・コクランがプロデュースしたボブ・デントンのもの、ドゥエイン・オールマンがプレイしたロニー・ホーキンズのリメイクなど、それぞれに面白いのだが、クリップがないので割愛する。

また、グレイトフル・デッドもやっているが、うちにはWBからのデビュー前の、あらま、と困惑するようなヴァージョンしかないので、これもなかったことにする! ヴォーカルはピグペンで、結局、その後、レパートリーからはずされたのだろう。

まだ二曲だけだが、聴くべきヴァージョンは山ほどあり、調べに手間取った疑問もあり、長くなったので、以下は次回へと。


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His Best : The Chess 50th Anniversary Collection (紙ジャケット)
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ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ
The Best of Johnny Kidd & The Pirates
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ヤングブラッズ
The Youngbloods/Earth Music/Elephant Mountain
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チャック・ウィリス
Chuck Willis Wails-Complete Recordings 1951-56
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ファッツ・ドミノ
Vol. 3-Imperial Singles
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ふられた気持(紙ジャケット仕様)
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# by songsf4s | 2014-02-25 22:48 | ブリティシュ・インヴェイジョン